
日本侠花伝
一度は散った愛の花 一度は死んだ女です 燃えて走った九寸五分 不倫の恋に血を流す
大正初期、四国の宇和島から駆け落ちしてきたミネと実は、列車内で書籍を売り歩くことで生計を立てていたが、あるときたまたま殺人の現場に居合わせてしまう。共犯の疑いをかけられたのち無事に無罪放免となった二人であったが、宇和島から実を連れ戻しに母が訪ねてくると、実はミネをあっさり捨てて帰っていってしまった。実に突き放されたミネは絶望のあまり断崖絶壁から海に転落するが、幸いなことに近くの釣船に乗っていた長田組の親分・金造に助けられる。やがてミネの夫となった金造、そして長田組のライバルである岸本組の刺客である清次郎らとの出会いにより、ミネは大きな変貌を遂げていく。